
Ryzen 9 PRO 8945HSとRadeon 780MでローカルLLMを動かせるか考えた
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#はじめに
仕事用Windows PCのタスクマネージャーを見ていたところ、GPUの欄に気になる数字が表示されていた。
- 専用GPUメモリ 約2GB
- 共有GPUメモリ 約14.9GB
さらにNPUという項目もある。
自宅PCにはRadeon RX 9060 XT 16GBを搭載しており、gpt-oss-20bをローカルで使い始めている。
そこで、
共有GPUメモリが約15GBあるなら、仕事PCも16GB GPUと同じくらいローカルLLMを動かせるのでは
と思った。
CPUはRyzen 9 PRO 8945HS、内蔵GPUはRadeon 780Mだった。
#Ryzen 9 PRO 8945HSの構成
AMD公式によるとRyzen 9 PRO 8945HSは、
- 8コア / 16スレッド
- Radeon 780M
- 12 GPUコア
- 最大16 TOPSのNPU
- 最大39 TOPSのシステム全体AI性能
という構成になっている。
CPU、GPU、NPUが一つのSoCに入っている。
タスクマネージャーにNPU欄があったのは、このRyzen AI NPUが搭載されているためだった。
#共有GPUメモリはVRAMとは違う
一番気になったのが共有GPUメモリだった。
約14.9GBという数字だけを見ると、自宅のRX 9060 XT 16GBとかなり近い。
しかし中身はまったく違う。
RX 9060 XTには16GBのGDDR6がGPU専用メモリとして搭載されている。
一方、Radeon 780Mは内蔵GPUなので、必要に応じてPCのシステムRAMをGPUと共有する。
RX 9060 XT GPU └─ 専用GDDR6 16GB Radeon 780M CPU / GPU └─ システムRAMを共有
タスクマネージャーに14.9GBと表示されていても、14.9GBの高速な専用VRAMが載っているわけではない。
#メモリ帯域がかなり違う
LLMでは容量だけでなく、モデルの重みをどれだけ速く読み出せるかも重要になる。
RX 9060 XT 16GBはAMD公式で最大320GB/sのメモリ帯域幅を持つ。
Radeon 780MはシステムRAMをCPUと共有するため、専用GPUのGDDR6とは条件が違う。
そのため、
どちらも約16GB使えるから同じ速度
とは考えられない。
モデルが入る可能性と、実用的な速度で動くかは別だ。
#NPUがあるならLLMを速くできるのか
次に気になったのがNPUだった。
Ryzen 9 PRO 8945HSのNPUは最大16 TOPS。
AI専用の処理領域なので、
OllamaのモデルもNPUで高速に動くのでは
と思いたくなる。
ただしNPUは、存在するだけで一般的なLLMランタイムが自動的に利用してくれるものではない。
実際に利用するには、ソフトウェア側がそのNPU向けの実行経路を持っている必要がある。
現在のローカルLLM環境を考えると、まずCPUやGPU側の対応を見る方が分かりやすい。
NPUのTOPSだけを見て、RX 9060 XTの代わりになるとは考えない方が良い。
#仕事PCでも小さなモデルなら面白い
だからといって、Ryzen 9 PRO 8945HSがローカルLLMに使えないわけではない。
8コア16スレッドのCPUとRadeon 780M、十分なシステムRAMがある。
小さめの量子化モデルを動かしたり、軽い推論を試したりする用途なら面白い。
特に、
専用GPUなしのミニPCでどこまでできるか
という実験としてはかなり興味がある。
ただ、自宅のRX 9060 XT 16GBと同じクラスだと思って使うものではない。
#NPUは今後のソフトウェア対応に期待したい
NPUがタスクマネージャーに表示されているのを見ると、せっかくあるのだから使いたくなる。
現時点では自分のローカルLLM用途で中心になるのはCPU/GPUだが、今後NPU対応のソフトウェアが増えれば役割が変わる可能性がある。
AI PCという名前のハードウェアが増えているので、NPUをどのアプリが実際に使えるかは今後も追いたい。
#まとめ
仕事用PCの共有GPUメモリ約14.9GBを見て、RX 9060 XT 16GBと同じようにローカルLLMを動かせるのか考えた。
結論として、数字だけを比較することはできない。
RX 9060 XT 16GB → GPU専用GDDR6 → 最大320GB/s Radeon 780M → システムRAM共有 → CPUとも帯域を共有 Ryzen AI NPU → 最大16 TOPS → 対応ソフトウェアが必要
という違いがある。
共有GPUメモリが大きく見えても、専用VRAMと同じものではない。
それでも、専用GPUのないミニPCでローカルLLMを試す環境としては面白いので、機会があれば実際の速度も確認してみたい。